実は間違っているかも?
冷え改善3つのルール

「冷えは万病のもと」といわれるように、冷えは健康の大敵であるばかりか、美容面でもさまざまなトラブルをもたらします。冷えによって全身の血流が悪くなると代謝も低下するため、肌のターンオーバーが乱れてくすみや乾燥を招くほか、むくみやすくなり、痩せにくい体を作る原因にもなります。そのまま放置するのはNG!

冷え改善のため、「しょうがを食べる」「靴下を履いて寝る」「熱いお風呂にじっくり浸かる」といった対策を実践している人も多いかもしれません。でも実は、こうしたよくある冷え対策が逆効果になることも? 今回はその理由を解説し、最適な対策をご紹介します!

冷え対策に摂るなら◯◯しょうがが正解!

毎日の食生活に体を温める食材を取り入れることも大切です。冷えとり食材として人気を集めているしょうがですが、その取り入れ方によって、温める部位や温める力が異なります。

漢方や薬膳の世界では、生のしょうがを生姜(しょうきょう)、乾燥させたしょうがを乾姜(かんきょう)と呼んで区別しています。生姜は発汗作用で体の表面にいる邪気を吹き飛ばす作用があるといわれているので、風邪の引き始めなどに使うのが有効です。一方の乾姜は体を内側から温める作用が強いといわれているので、冷えを改善するという目的であれば、乾燥させたしょうがを使うのがおすすめなのです。

成分的にみても、生のしょうがには強い殺菌力を持つ「ジンゲオール」が多く含まれており、加熱して乾燥させることで、血流を促進させ体が温まるように働く「ショウガオール」が増えるといわれています。

乾燥しょうがは、しょうがをスライスして天日に一日干すだけで、簡単に作ることができます(室内なら3日~1週間程度、乾燥させて下さい)。紅茶や味噌汁などにお好みで加えるだけで、体がポカポカあたたまるのを実感できるはず。手作りする時間がない人は、しょうがを加熱・乾燥させた市販のしょうがパウダーなどを使うと便利ですよ。

寝る時に履くなら靴下より、◯◯!

夜寝る時に足元が冷えてなかなか寝付けないという人も多いと思いますが、靴下を履いて寝るのは睡眠の質を下げてしまうおそれがあるため、あまりおすすめしません。私たちの体には、就寝時、手足から放熱して体温を下げながら眠りにつくというメカニズムが備わっているからです。

靴下を履いて寝た場合、足先に熱がこもってしまってうまく放熱できなかったり、汗をかくことで靴下が湿ってしまい、かえって冷えることも考えられます。また、締めつけ感で足首付近の血流を妨げてしまうことも。

どうしても足元が冷えてしまう場合は、足先が開いているレッグウォーマーを履くのがおすすめ。その際も締めつけ感のない、ゆるめのものを選んで下さいね。

お風呂は、ぬる湯でもしっかり温まる◯◯浴で!

冷えを改善する絶好のチャンスといえば、やっぱりお風呂! 面倒くさいからといってシャワーだけで済ませず、湯船に浸かってしっかり体を温めましょう。といっても、「熱めのお湯に長く浸かる」のが良いというわけではありません。

42度以上の高温のお風呂に入ると交感神経のスイッチが入って興奮状態になり、血管も収縮するため、寝付きが悪くなるだけでなくお風呂を出た後かえって体が冷えてしまう可能性もあります。

逆に40度以下のぬるめのお湯では、副交感神経が刺激されてリラックス状態に。ゆっくり浸かることで血管が広がり、血流が良くなる効果も期待できます。

しかし、だからといって入浴時間を長くすれば良いというわけではありません。長湯をしすぎると、肌が本来持っている潤い成分、NMF(天然保湿因子)が流れ出して肌のバリア機能が低下し、肌の乾燥が進む要因に。

入浴にはさまざまな目的がありますが、“冷え改善のため”“美肌のため”という視点でいえば、39度前後のぬるめのお湯に15~20分程度浸かるのが理想的といえます。

また、お風呂の温熱効果をさらに高めてくれるのが、入浴剤。おすすめは“炭酸浴”です。炭酸には血管を拡張する作用があるため、皮膚から吸収されると血液の循環が良くなり、冷えの改善にも一役買ってくれます。市販の入浴剤を活用するのも良いですが、ドラッグストアで手に入る重曹とクエン酸を使い、自宅でも手軽に炭酸入浴剤を作ることができます。

【材料】
重曹:大さじ1
クエン酸:小さじ2
天然塩:小さじ2
(お好みで)好きな香りのエッセンシャルオイル:2~5滴

重曹、クエン酸、天然塩をボウルに入れ、スプーンなどで混ぜ合わせればあっという間に出来上がりです。お風呂に入れると「シュワーッ」という音を立てて発泡しながら、さっとお湯に溶けていきます。炭酸が溶け込んだお湯に浸かっていると、体が芯から温まりますよ。

これからはよりベストな冷え対策で、あったか美人を目指しましょう!

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専門家

城後紗織さん

美容ジャーナリスト

大学在学中より、女性誌編集スタッフとして執筆活動をスタート。独立してキャリアを重ねる一方、出産後の多忙な経験から時間をかけずにキレイになれる美容法を追求。著書「時短メイクbeauty」をはじめ、雑誌やWebを通じて独自の時短美容テクを発信中。中国留学経験もあり、漢方にも詳しい。

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