様々な素材を扱う化粧品の容器設計に興味をもち、コーセーへ入社。想像していた何倍ものバリエーションの設計を担当しています。

大学ではデザイン工学を勉強していたので、ものづくりの仕事に関心がありました。就職活動を通じてパッケージの世界に興味をもち、自分も色々な容器や箱を作ってみたいと思うようになりました。特に化粧品のパッケージは紙やプラスチックだけでなく、ガラスや金属など様々な素材があることから化粧品業界で包装の仕事をしたいと思うようになり、その中でも特にものづくりのスタイルに共感できたコーセーに入社したいと思ったのが入社のきっかけです。

入社から現在に至るまでスキンケア・メイクを問わず、コーセーの商品の容器設計を担当しています。デザイン性と両立した品質・コスト・納期を満足させる容器設計を目指し、関連部署や仕入れ先様と連携し容器の仕様を考案するのがメインの仕事です。

入社前に思い描いていた何倍ものバリエーションの材質・形状の容器の設計を担当することになり、嬉しいと思う半面、ついていけるのか不安でもありましたが、周りの同僚の支えもあって、難しい仕様の商品も形にしていくことができました。

難易度が高いデザインにも挑戦。 苦労する分、テレビや広告で商品を見た時の感動とやりがいは計り知れません。

設計を担当した容器の中でも特に、DECORTÉの“AQオードパルファン”は難易度が非常に高く印象に残っています。この容器のデザインは海外のデザイナーに考案していただき、キャップにレザーの花びらが咲いたデザインが特徴なのですが、レザーでできた花びらとプラスチックのキャップを組み合わせる方法が設計初期段階では全く思いつきませんでした。デザイナーとの打ち合わせや仕入れ先さまの知見のおかげでなんとか容器の仕様を確立することができましたが、量産に至るまでも様々なトラブルが発生し、納期も迫る中現場での生産立ち合いなどを行うことでなんとか形にすることができました。

パッケージの仕事のいいところは、テレビCMや広告には商品のパッケージが大きく映ることです。ONE BY KOSÉの商品を担当したときには、テレビCMに自分が設計したパッケージが映り、初めて見たときは感動しました。

コーセーの商品デザイン部では、より使いやすい容器を目指した様々な開発テーマに取り組んでおり、そのうちの一つとして大学と共同で“容器の開けやすさの定量化”の研究を行っています。“開けやすさ”は人によって感じ方が異なるので、これまで数値に置き換えることが難しかったのですが、ようやくその数値化が見える段階まで研究を進めることができそうです。今後この研究をさらに進めてより多くの人に使いやすい容器を届けたいです。

インドで展開するブランドを担当。日本とは違った難しさがあり、これまでに無い経験から仕事の幅が大きく広がりました。

入社2年目から、日本のコーセーの容器設計以外に、インド現地企業の“コーセーインディア”の化粧品容器の設計も担当するようになりました。日本からパッケージを輸出するのではなく、現地の仕入先様でパッケージを製造するのですが、言葉の壁だけでなく、日本との商習慣や設計思想の違いが予想以上に多く、日本での設計とは違った難しさがあります。これまで海外での仕事をしたことがなかったので、自身の仕事の幅が広がったと思います。

紙・プラスチック・金属・ガラスなど様々な材質を扱うのは化粧品業界ならではのパッケージの特徴です。その中でもコーセーの商品デザイン部は新規性のある材料やサステナビリティに貢献できる環境配慮材料の採用への取り組みに非常に積極的です。そのため、日頃から様々な技術や材料の情報を収集しており、それらを通じて各材料・材質への知識を深めることができます。