先輩社員紹介研究戦略室 – 1998年入社
行き詰まる研究員の突破口を見出し「研究員を輝かせること」が仕事です
入社以来、製品開発や製品安全性の研究、皮膚科学に関する基礎研究など、化粧品づくりに関するさまざまな領域を経験してきました。現在、所属している研究戦略室は、イノベーションにまつわる領域や課題に対し、次世代技術をはじめとする様々なアプローチによって課題を解決することが私達のミッションです。これまでの仕事とは異なり、課題解決に必要な研究や技術を探索し、コーセーの研究所と大学の研究室を学術的に連携、推進させ、長期研究テーマを設計し、運営・管理することが主な仕事です。さらに、学会発表や論文を執筆する研究員のサポートもしています。
私の役割は、ひと言で言えば「研究員を輝かせること」です。実際に、研究テーマで行き詰っている研究員に、別のアプローチ方法や新たなコンセプトを提案するなど、少しだけ背中を押してあげると、水を得た魚のように、その研究員の様子が一気に輝き出すといった場面に、これまで何度も遭遇してきました。
たとえば、「こんなアイデアがある」と相談に来た研究員とブレインストーミングを行う際、研究員の専門分野外の情報やコンセプトを提供することで、研究員にとって新たな気づきが生まれ、素晴らしい研究に繋がったこともありました。
若い研究員が新たな発想に出会い、突き進む姿に立ち会える喜びがやりがいに
実は、私自身、入社当初から人と違ったおもしろいことをしたいという強い思いがありました。入社2年目の頃、アイデア会議で「スクラブ入りジェル状ネイルリムーバー」を提案し、商品化されました。大ヒットとまでは至りませんでしたが、美容雑誌で大賞を受賞し、一緒に商品を作ったメンバーと大喜びしたことがありました。これがきっかけとなり、今までにない商品をつくり出すおもしろさを肌で感じました。同じように、研究者であれば誰もが新しいことに挑戦したいという気持ちを持っているものです。また、化粧品づくりには、ひとつの発想をもとに製品をつくり込んでいく地道な作業も重要ですが、「これだ!」とひらめいた自分のアイデアであれば、その後の大変さはまったく苦にならないはずです。そうした気持ちを理解できるからこそ、当社の若い研究員が新たな発想と出会い、突き進んでいく場面に立ち会えることが、今の私にとって最大の喜びであり、やりがいとなっています。
製品の高い品質と技術革新のDNAは研究員ひとりひとりに伝わっている
異業種・同業種とさまざまな方にお会いする機会がありますが、コーセーの品質水準に対する周囲の高い評価を実感でき、大変誇らしい気持ちになります。
コーセーは、もともと製品の安全性を非常に大切にしているメーカーであり、その姿勢こそが高い品質につながっています。それは、安全性部門の社員に限らず、製品づくりに関わる企画や開発、生産、販売に関わる営業やビューティコンサルタントまで、あらゆる社員が安全性と品質に誇りをもっているからに他ならず、それこそがコーセーの最大の強みと言えるでしょう。
また、コーセーは、世界初の美容液、フィットオンファンデーション(現在の一般的なパウダーファンデーションの原型)など、革新的な製品を数々創出してきました。とはいえ、化粧品技術が成熟期に差しかかっている現在では、イノベーションの創出は決して容易なことではありません。しかし、社員の中に革新のDNAを脈々と受け継がれているコーセーには、そのポテンシャルが十分にあるはずです。もちろん、技術革新は個人のやる気だけで成し遂げられるものではありません。今後は、少数精鋭の研究員ひとりひとりの個性を十二分に発揮させ、組織としてのパフォーマンスを向上させなければなりません。そのために技術経営(Management of Technology)の概念などを導入しながら、よりイノベーションが生まれやすい組織環境づくりに取り組むことが私の使命だと認識しています。
ある一日の流れ
9:30 | 出社。メールチェックなど |
10:00 | 新規研究テーマについての打ち合わせ |
11:00 | 文献調査、学術情報の検索 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | グループ会議 |
14:00 | 横断型プロジェクト会議 |
16:00 | 国際学会で発表予定の研究者と打ち合わせ |
18:00 | メールチェックなど。退社 |
就職活動中の学生へのメッセージ
私の場合、何かおもしろいことに挑戦するのが好きだったので、それができるコーセーを選んで正解でした。就職活動中のみなさんも、自分が何をするとモチベーションが上がるのかということをよく自覚することで、会社を選ぶ視点が明確になります。そして、それは学生にとっても、企業側にとってもミスマッチがなくなるのでよいことです。自分をよく見つめ直し、自分を信じて就職活動に取り組んでください。