肌悩みのひとつとして挙げられる「くすみ」。そもそもくすみとはどのような肌状態を指すのか、原因は何か、セルフケアで改善できるのかなど、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、くすみの種類別に考えられる原因から、自宅でできるケア方法まで詳しく解説。最近なんだか肌がぱっとしない・・・と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
肌のくすみの主な種類と原因
「くすみ」とは、肌が本来の明るさよりも暗く見える状態。原因によっていくつかの種類に分けられますが、顔色が悪く見えて不健康そうな印象を与えたり、メイクが映えなかったりといった悩みにつながるのが共通点です。
くすみの主なタイプと原因を解説していきますので、自分がどれに当てはまるのかを確認してみてください。
乾燥によるグレーがかったくすみ
うるおいに満ちた肌はキメが均一に整っているため、光を反射して透明感があるように見えます。しかし元々の肌質や不適切なスキンケア、加齢や紫外線によって肌の水分が不足すると、キメが乱れて肌に凹凸ができ、光を均一に反射しにくい状態に。本来の顔色よりもワントーン暗くなったような、グレーっぽいくすみが生じます。乾燥するとターンオーバーが乱れ、後述の角質肥厚につながることもあるため注意が必要です。
血行不良による青っぽいくすみ
睡眠不足や運動不足などによる血行不良は、青っぽいくすみの原因に。同時に黒っぽいクマやツヤのなさ、むくみや冷えが気になることもあります。
角質肥厚によるごわつきくすみ
肌は通常28日の周期で生まれ変わり、古い角質は自然と剥がれ落ちています。しかし乾燥や紫外線、加齢やホルモンバランスの乱れといったさまざまな理由でターンオーバーに支障が出たり、クレンジングや洗顔などの「落とすケア」が不十分だったりすると、本来剥がれ落ちるはずの角質が肌表面に蓄積。不要なものが溜まっているので肌にごわつきが生じるほか、透明感がなくなり灰色がかったように見えてしまいます。
メラニン(色素沈着)による茶褐色のくすみ
紫外線や摩擦によってメラニン色素が肌に沈着すると、茶褐色のくすみが生じます。
シミに直結するイメージからつい悪者にされがちですが、本来メラニンは紫外線から肌を守る重要な存在。肌表面で紫外線を吸収し、ダメージが肌内部に届かないようにブロックしています。生成されたメラニンを含む角質は、肌のターンオーバーと共に肌の表面に移動し、垢となって剥がれ落ちるのが自然な流れ。しかし何かしらの原因でターンオーバーが乱れると、メラニンを含む角質が肌にとどまり続けてしまいます。
メラノサイト(メラニンをつくる工場)は紫外線以外の刺激にも反応するので、摩擦などを受けてメラニン生成の指示を出し続けてしまうことも。過剰につくられたメラニンが排出されず、くすみやシミとなって肌にとどまってしまうことがあるのです。
糖化による黄ぐすみ
年齢を重ねるごとに、肌内部では「糖化」という現象が起きやすくなります。糖化とは、ハリを司るコラーゲン・エラスチンなどのタンパク質と余分な糖が結びつくこと。その結果「AGEs」という糖化産物が産生され、黄ぐすみやたるみ・シワをつくってしまうと考えられています。なお、糖化によるくすみが黄みを帯びるのには、AGEsが褐色であることが関係しています。
加齢とともに起こりやすいとはいえ、紫外線や糖分が多い食事や飲酒、喫煙も原因になるため、年齢に関係なく注意が必要です。
くすみは自力で改善できる?スキンケアのポイント
くすんだ肌をセルフケアで改善できるかどうかは、くすみの種類や原因にもよります。例えば不要な汚れを落としきれていない角質肥厚によるくすみなら、普段のクレンジングや洗顔を見直すことで解決につながるでしょう。しかしメラニンの蓄積などは、一度起こってしまうとホームケアでの改善は難しいのが現状です。
とはいえくすみにつながる原因は多岐にわたり、どれか一つに偏っていることは少ないため、複数の原因をカバーしながら対策を講じることが大切といえます。未然に防ぐ意味も踏まえ、共通して気を付けたいスキンケアのポイントを解説します。
クレンジングと洗顔できちんと汚れを落とす
不要な角質を肌に留まらせないため、またスキンケアアイテムの角層までの浸透を促すため、メイク・日焼け止めなどはクレンジングで、皮脂や汗・顔に付着したほこりなどは洗顔料で丁寧に落としましょう。必要なうるおいまで落とさないよう、いずれも肌をこすらないこと・ぬるま湯ですすぐことがポイントです。
スペシャルケアとして、角栓を分解する働きがある酵素が配合された洗顔料を使うのも効果的。週に1~2回を目安に取り入れてみましょう。
保湿を徹底する
保湿はあらゆるタイプのくすみを対策するための基本です。これまで以上にうるおいを重視し、肌の土台を整えましょう。
化粧水・乳液という基本の2アイテムに加え、肌の状態によっては美容液やクリームを追加するのもおすすめ。肌に合ったものを使うのがいちばんですが、セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンといった保湿成分が配合されているものがとくにおすすめです。量をたっぷり使うことも意識してみてください。
UVケアを軽視しない
メラニンが関わるくすみを対策するためには、徹底的な紫外線対策が欠かせません。シワやたるみなどのエイジング悩みにもつながるので、将来のためにも軽視するのはご法度です。
紫外線は季節に関係なく地上に届くので、日焼け止めは夏や晴れの日以外も必須。日傘や帽子、サングラス、衣類なども活用すると、上手に紫外線をブロックできます。
マッサージを取り入れ、全身を温める
血行不良によるくすみ対策として、マッサージをケアに組み込んでもよいでしょう。マッサージによって血行が促進されると、肌がいきいきとして見えるはず。摩擦を防ぐためにマッサージクリームを使えば、クリームによるうるおい効果も期待できます。
また顔の血行が悪いときは、全身も同じ状態であることが多いもの。入浴の際は湯船につかる、薄着にしない、からだを温める食事をとるなど、生活の中でも「温活」を意識してみてください。
食事・運動・睡眠・・・生活習慣も見直しを
あらゆるくすみの原因になるターンオーバーの乱れを防ぐためには、健康的な生活を送るのがいちばんの近道。睡眠不足や運動不足、ストレスなどでも代謝は落ちるので、できることから規則正しい生活を送る努力を始めましょう。
食事では栄養バランスを意識しつつ、糖化くすみにつながる糖質の過剰摂取を控えるのがベター。適度な運動は、血行促進・ストレス解消の効果が期待できて一石二鳥です。ホルモンバランスにも関わる睡眠は、時間だけでなく「質」にこだわることが大切。良質な睡眠をとれるよう、眠る環境を見直しましょう。
まとめ
さまざまな原因が複雑に絡み合って発生する「くすみ」。自分のくすみタイプを把握するために、状態やいつもの習慣を客観的に振り返ることから始めてみましょう。スキンケアと共に生活も見直し、くすみに悩まない毎日を目指してみませんか。