気付かぬうちに、じわじわと肌に現れ始めるシミやそばかす。一度できてしまうと自力で改善するのは難しいので、普段のコツコツとしたケアや習慣で予防に徹することが大切です。

そこで今回は、シミ・そばかすができてしまう仕組みや原因を解説したのち、取り入れるべき対策を具体的に解説。スキンケアはもちろん、日常生活でのポイントにも触れますので、できることから取り入れてみてください。

※この記事での「美白」とは、メラニンの生成を抑えてシミ・そばかすを防ぐことを指します

シミ・そばかすを予防するためには、発生してしまうメカニズムと原因を理解しておきましょう。

シミ・そばかすの生成メカニズム

シミやそばかすの発生に関わっているのは、本来は紫外線から肌を守るはたらきを持つ「メラニン」という色素です。肌が紫外線などによる刺激を受けると、チロシナーゼという酵素がメラニン工場（メラノサイト）にメラニンの生成を指示。つくられたメラニンが肌表面で紫外線を吸収し、ダメージが肌内部に届かないようにブロックするという仕組みです。

通常はターンオーバー（肌の生まれ変わりのリズム）とともに肌の表面に移動して、垢となって剥がれ落ちます。しかし肌内部の細胞に何かしらの異常が起こると、メラノサイトがメラニン生成の指示を出し続けてしまうことも。過剰につくられたメラニンがターンオーバーとともに排出されず、シミとなって肌に残ってしまうことがあるのです。

シミの原因と特長

シミにもいくつかの種類があり、それぞれ原因が異なります。

もっとも多いと言われている「老人性色素斑」の主な原因は紫外線。薄い茶色から次第に濃くなり、頬骨の高いところなど紫外線が当たりやすい部位に多く見られます。

ニキビ跡や傷跡、虫刺されなどの炎症が跡になって残った「炎症後色素沈着」もシミの一種。色は茶や赤、黒などさまざまで、炎症が完治する前に刺激が加わりメラニン色素が皮ふに沈着することで起きます。

妊娠中やピル服用中、更年期など、女性ホルモンの乱れによって起こるのが「肝斑」。色は茶～灰色で、頬骨あたりにもやがかかったように、左右対称にできるのが特徴です。内服薬が功を奏すケースもあるため、専門機関に相談することも検討しましょう。

そばかすの原因と特長

正式には雀卵斑（じゃくらんはん）と呼ばれるそばかすも、実はシミの一種です。薄茶色の細かい斑点が頬や鼻のあたりに広がっているのが特徴、主な原因は遺伝と言われており、色白の方や皮ふが薄い方に多く見られます。

遺伝的要素が強いため、美白化粧品での改善は困難とされています。とはいえ発生する仕組みはほかのシミと同じなので、悪化させないためにも対策を心がけましょう。

シミができる仕組みや原因を知ると、予防するために心がけるべきことが見えてくるはず。毎日のスキンケアで心がけたいことをご紹介します。

日焼け止めを欠かさず塗る

先の説明通り、シミやそばかすの元になるメラニンは紫外線によって生成されます。紫外線は365日降り注いでいるので、夏や晴れの日に限らず日焼け止めを塗るようにしましょう。

日焼け止め以外に、UVカットできる化粧下地やファンデーション、フェイスパウダー、日傘や帽子、サングラスなどの小物も取り入れてみてください。

美白化粧品を使う

美白有効成分が入ったスキンケアアイテムを普段から使用し、メラニンの生成を抑えましょう。

美白有効成分にもさまざまな種類があり、シミ予防にアプローチする仕組みもそれぞれ異なります。たとえばみそなどに含まれる麹（コウジ）菌由来の美白有効成分「コウジ酸」は、チロシナーゼの働きを抑えてメラノサイトの動きをブロック。メラニンの生成が抑えられ、シミ・そばかすを防ぐという仕組みです。

フルラインで美白化粧品をそろえるのが理想的ですが、まずひとつ取り入れるなら美容液がおすすめ。いつものケアに美白美容液をプラスし、毎日コツコツ使い続けましょう。

保湿を強化する

せっかく美白ケアをしていても、うるおいが不十分だとくすみやキメの乱れが生じ、肌が暗く見えることも。さらに、バリア機能が低下して摩擦などの外的刺激を受けやすくなり、メラニンの生成が加速してしまう可能性もあります。美白だけでなく保湿にも力を入れることが、理想の肌への近道です。

シミを予防するためには、内側からのケアを見直すことも欠かせません。

食事は栄養バランスに気を配ったうえで、細胞を作るタンパク質の原料になるアミノ酸や、皮ふを作るのに必要なビタミンやミネラルを積極的に補うとよいでしょう。ビタミンの中でも、とくにビタミンCはメラニン色素の生成や沈着予防に役立つと言われています。食事から摂るのが理想ですが、難しい場合はサプリメントなども上手に活用してみてください。

また質の良い睡眠を十分にとり、ストレスを溜めないことも大切。適度な運動は全身の血行を良くするだけでなく、ストレス解消にもつながるのでおすすめです。