鏡越しに見つけてしまうと、つい気になってしまうシミ。防ぐためにはメラニンの生成を抑えることが大切と聞くけれど、そもそもメラニンって何？と思っている方もいるのではないでしょうか。

今回は、メラニンの性質やシミができるメカニズム、シミを防ぐためのお手入れ方法を解説。原因を知ることで、効率的なシミ対策に役立てましょう。

そもそも、メラニンとはどんな物質かご存知でしょうか。シミができる仕組みとともに解説します。

メラニンとは？

シミに直結するイメージからつい悪者にされがちなメラニンですが、もともとは紫外線から肌を守る重要な存在。

肌が紫外線などによる刺激を受けると、チロシナーゼという酵素がメラニン工場（メラノサイト）にメラニンの産生を指示。つくられたメラニンが肌表面で紫外線を吸収し、ダメージが肌内部に届かないようにブロックしています。

ちなみにメラニンには主に黄色～赤色のフェオメラニンと褐色～黒色のユーメラニン（ユウメラニン）の2種類があり、肌や毛髪、瞳の色はそれぞれの量・割合によって決まります。

メラニンによってシミができる仕組み

お伝えしたとおり、紫外線などから肌を守るために産生されるメラニン。通常はターンオーバー（肌の生まれ変わりのリズム）とともに肌の表面に移動し、垢となって剥がれ落ちます。

しかし肌内部の細胞に何かしらの異常が起こると、メラノサイトがメラニン生成の指示を出し続けてしまうことも。過剰につくられたメラニンがターンオーバーとともに排出されず、シミとなって肌に残ってしまうことがあります。

またメラニンの量が過剰でなくとも、ターンオーバーが正常でなければきちんと排出できません。ターンオーバーを乱す要因は加齢・乾燥・紫外線・摩擦などさまざまなので、生活のあらゆるところにワナが潜んでいると言えるでしょう。

一度できてしまったシミは、セルフケア（ホームケア）では消せません。すでにあるシミをどうしても消したいなら、医療機関で施術を受ける必要があります。お金も時間もかかってしまうので、できる前の対策に力を入れましょう。

シミを防ぐために意識したい、具体的なお手入れ方法をご紹介します。

紫外線対策を徹底する

メラニンやシミがつくられる仕組みを理解するとわかるとおり、まずは紫外線をブロックすることがとても重要。紫外線は季節や天気に関係なく地上に届いているので、年間を通した対策を心がけましょう。
か 日焼け止めは十分な量を使い、2～3時間ごとに塗りなおすことをお忘れなく。顔には、紫外線防止効果のあるフェイスパウダーを使うと便利です。日傘や衣類などもうまく活用してみてくださいね。

美白化粧品を使う

紫外線対策が「守り」なら、美白化粧品を使うのは「攻め」のケア。美白有効成分が入ったスキンケアを普段から使用し、メラニンの生成を抑えましょう。

さまざまな美白有効成分がありますが、たとえば「コウジ酸」も話題です。みそなどに含まれる麹（コウジ）菌由来の成分で、チロシナーゼの働きを抑えてメラノサイトの動きをブロック。メラニンの生成が抑えられ、シミ・そばかすを防ぐという仕組みです。

美白有効成分ごとに特徴が異なるので、ぜひ特徴をチェックしながら選んでみてください。

もちろんフルラインで美白化粧品をそろえるのが理想的ですが、まずひとつ取り入れるなら美容液がおすすめ。いつものケアに美白美容液をプラスし、毎日コツコツ使い続けましょう。

摩擦を控える

チロシナーゼからメラニンの生成が指示されるのは、紫外線を含むあらゆる外的刺激を受けたとき。肌に摩擦が起きたときも、紫外線を浴びたときのようにメラニンが過剰に生成される可能性があります。

乾燥やシワ・たるみといった肌トラブルにもつながる摩擦は、まさに百害あって一利なし。スキンケアをするときは、肌にやさしく触れることを意識しましょう。

食事に気を遣う

外側からのケアに加えて、体を内側から整えることも大切です。バランスの取れた食事が大前提ですが、シミ対策のためには以下のような栄養素もぜひ取り入れてみてください。

・ビタミンC：抗酸化作用があり、紫外線ダメージの軽減につながる。コラーゲンを合成する
レモン、赤パプリカ、じゃがいも、ブロッコリー、いちご、キウイなど

・βカロチン（ビタミンA）：抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を健康に保つ
レバー、卵黄、緑黄色野菜など

・ビタミンE：脂質の酸化を防ぎ、血行促進をサポートする
アーモンド、植物油（ヒマワリ油、菜）など

・L-システイン：抗酸化作用があり、代謝をサポートする
小麦、大豆、かつお節など