年齢を重ねた肌の悩みは数あれど、代表的なものといえば「シワ」と「シミ」ではないでしょうか。それぞれケアするには手間もお金もかかりますが、お手入れの方法を工夫すればシワ改善と美白のケアを両立することは可能。ピンとハリのある澄み渡るクリアな肌を叶えるために、具体的な方法を解説していきます。
※この記事での「美白」とはメラニンの生成を抑えてシミ・ソバカスを防ぐこと、「エイジングケア」とは年齢に応じたケアを指します
シワとシミの原因
対策をするためには、シワとシミができる原因を知ることから始めましょう。
シワの原因
シワができる原因はいくつか考えられ、それぞれが複雑に絡み合っていることもあります。代表的なものを見ていきましょう。
乾燥
気温や湿度、スキンケアの状況や健康状態などの影響で肌の水分が不足すると、みずみずしさやしなやかさが低下。保湿すれば元に戻ることがほとんどですが、乾燥性の小ジワを放置すると深いシワへと進行してしまいます。肌が乾燥すると肌のバリア機能が低下し、あらゆる肌トラブルの原因にもつながりかねません。
糖化
年齢を重ねると、ハリを司るコラーゲン・エラスチンなどのタンパク質が糖と結びつき、老化を促進するAGEs(終末糖化産物)という物質を発生させる「糖化現象」が起こりやすくなります。AGEsはシワやたるみ、黄ぐすみなどの原因になるといわれており、加齢だけでなく喫煙や食生活によっても発生します。
加齢による代謝悪化やエストロゲン分泌量の低下
加齢とともに代謝は低下し、肌のうるおいを保つ皮脂などの量が減少。水分も油分も少なくなるため乾燥し、柔軟性やハリが失われてシワになります。
また、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量も低下。肌の弾力を支えるコラーゲンやエラスチンが生成されにくくなり、シワやたるみにつながります。
紫外線(光老化)
紫外線の中でも、肌の奥まで到達するUV-A(紫外線A波)は、コラーゲンやエラスチンにダメージをあたえます。年数をかけて肌にじわじわとダメージが蓄積され、年齢を重ねるほどシワやたるみが目につきやすくなります。
シミの原因
シミができる原因は、シミの種類によって異なります。代表的な種類と原因は下記のとおりです。
紫外線(老人性色素斑)
もっとも多いといわれている「老人性色素斑」の主な原因は紫外線。薄い茶色から次第に濃くなり、ほお骨の高いところなど紫外線が当たりやすい部位に多く見られます。
炎症後の色素沈着(炎症後色素沈着)
ニキビ跡や傷跡、虫刺されなどの炎症が跡になって残った「炎症後色素沈着」もシミの一種。色は茶や赤、黒などさまざまで、炎症が完治する前に刺激が加わりメラニン色素が皮ふに沈着することで起きます。
ホルモンバランスの乱れ(肝斑)
妊娠中やピルの服用中、更年期など、女性ホルモンの乱れによって起こるのが「肝斑」。色は茶~灰色で、ほお 骨あたりにもやがかかったように、左右対称にできるのが特徴です。内服薬が功を奏すケースもあるため、専門機関に相談することも検討しましょう。
シワ改善と美白を両立させるためのケア
シワ・シミの種類と原因にもよりますが、共通するマストケアは紫外線対策と保湿だといえます。シワ改善と美白を両立させるために意識したい、スキンケアの選び方や使い方のポイントを解説します。
シワ改善と美白、両方の効能効果が認められた医薬部外品を使う
「シワ改善」と「美白」というふたつの効能効果が認められた、「ナイアシンアミド」という有効成分が配合されたスキンケア製品を選ぶのもおすすめ。市販の基礎化粧品に配合されていることが多く、手に取りやすいのも魅力です。
もちろん、シワ改善と美白の有効成分が単品で配合された製品を組み合わせたり、Wの主剤で配合されている製品を選んだりするのもあり。代表的な成分は、下記を参考にしてみてください。
【シワ改善有効成分】
・ナイアシンアミド
・レチノール
・ニールワン など
【美白有効成分】
・ナイアシンアミド
・コウジ酸
・ビタミンC、ビタミンC誘導体
・アルブチン
・カモミラET
・トラネキサム酸
・プラセンタエキス など
保湿を徹底する
肌の乾燥は、シワ・シミどちらの進行も促します。肌に合った基礎化粧品を使い、しっかり保湿することを心がけましょう。
化粧水で水分をたっぷりあたえた後は、油分を含む乳液・クリームでうるおいにフタを。肌の状態を見ながら、適宜美容液などを追加してもよいでしょう。一般的に通常のラインよりも保湿が強化されている、各ブランドのエイジングケアラインに切り替えるのもおすすめです。
また、スキンケアの際には肌をこすらないことを意識しましょう。肌はとても薄くデリケートなので、ちょっとした摩擦もダメージの一因に。原因を知るとわかるように、シワ・シミどちらも助長する可能性があります。
紫外線対策を徹底する
紫外線対策は、シワ・シミを同時に防ぐために欠かせません。季節や天気にかかわらず、365日紫外線対策を心がけましょう。
あれこれ塗るのが面倒なら、日中用美容液や日中用乳液などを選ぶのもあり。スキンケアのついでにUVケアができるうえ、化粧下地としても使えるタイプなら手間をより減らせます。
日やけ止めはもちろん、帽子やサングラス、衣類なども活用し、肌を紫外線から保護しましょう。
生活習慣を見直す
シワ改善も美白も、健康なからだがあってこそ成り立ちます。普段の生活を振り返り、改善の余地があれば少しずつ取り組んでみましょう。
栄養バランスのよい食事
栄養バランスのとれた食事をベースに、不足しがちなビタミンやミネラルなどを積極的に補いましょう。
水分補給
水分をしっかり補給することも、実は肌のうるおいに関係します。のどが渇いたと感じる前に水分を摂る習慣をつけましょう。
十分な睡眠
睡眠中には肌の回復が促されます。自分にとって適切な睡眠時間を確保し、質のよい睡眠をとれるように環境などを見直しましょう。
適度な運動
適度に運動することで全身の血行が促され、肌にも栄養が届きやすくなります。一駅分歩く、階段を使うなど、無理のない範囲で少しでも動く習慣をつけましょう。
まとめ
シミとシワを同時に対策するためには、総合的なアプローチが必要です。基本となる保湿と紫外線対策を心がけながら、その他のポイントにもできる限り目を向けてみましょう。基礎化粧品を選ぶ際は、成分などにもぜひ着目してみてくださいね。