乾燥肌の方は、普通肌の方と比べて肌が乾燥しやすいため、より入念な保湿ケアが必要です。乾燥肌の方でも保湿ケアの方法次第で健やかな肌を保ちやすくなります。保湿効果が高い化粧品で正しく保湿すれば乾燥肌の悩みが和らぐでしょう。ここでは乾燥肌の方が今日からはじめたい保湿ケアのコツやケア用品の選び方をご紹介します。
保湿が欠かせない?乾燥肌の原因について
乾燥肌を正しくケアするために、まずは原因を知ることが大切です。乾燥肌は、もともと乾燥しやすい体質に加えて、次のような原因で肌が乾燥しやすくなっています。
加齢
加齢は肌のターンオーバーのサイクルを乱す原因です。肌は、外側から順に「表皮」、「真皮」、「皮下組織」で構成されています。そして「表皮」は外側から順に「角層(かくそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」で成り立ちます。
肌のターンオーバーとは、「基底層」で作られた新しい細胞が押し上げられ、「角層」の細胞と置き換わる仕組みです。
このターンオーバーの仕組みによって、肌のバリア機能が保たれています。
しかし、加齢によってターンオーバーのサイクルが早まったり遅れたりすると、肌の水分を保つ「天然保湿因子」や「セラミド」などが生成されにくくなったり、水分が失われやすくなったりして、バリア機能が低下するのです。
間違ったスキンケア
熱すぎる湯で洗うとバリア機能の1つ「皮脂膜」が流されてしまい、肌が乾燥しがちになります。またゴシゴシと力強く洗うと新しい肌細胞が摩擦で剥がれおちて、肌の水分を保てなくなるのです。
このような間違ったスキンケアを毎日続けていると、常に肌が乾燥する可能性があります。
季節による極度の乾燥
冬のように空気が乾燥している季節は肌の水分が奪われてバリア機能が低下します。またエアコンは空気中の水分を吸収する仕組みのため、部屋が乾燥して肌の水分が奪われます。
エアコンを使用するときは、湿度を自動で調節してくれるタイプの加湿器を使用しましょう。エアコンの風に直接あたらないことも大切です。
乾燥肌の保湿ケアの方法とは?スキンケアのコツ
乾燥肌の方は、普通肌の方と比べてスキンケア不足による影響が大きくなりがちです。そのため、次のようなスキンケアのコツと基本を押さえましょう。
きちんと化粧水と乳液を使う
保湿ケアでは、化粧水で水分を与え、乳液で油分を補います。また化粧水で水分を与えた後に、肌の悩みに合った美容液を使うのもよいでしょう。肌に水分と油分と美容成分を与えると、バリア機能が整って乾燥しにくくなります。
とくにひどい乾燥にはクリームを塗る
「口や目のまわりなど乾燥しやすい部位」や「乾燥がひどい部位」には、クリームを塗りましょう。ここで注意したいのがクリームの塗り方です。
クリームを肌の奥深くへと浸透させるために、すり込みたくなる方もいますよね。しかし、肌にすり込むと摩擦ダメージが加わるため、ますます乾燥する恐れがあります。
クリームは、肌を摩擦しないように指の腹で優しく塗りましょう。
使用量を守る
保湿化粧品は大量に使えば保湿効果が高まるわけではありません。乳液やクリームを塗りすぎると肌がべたつく恐れもあります。反対に、量が少なすぎると十分に保湿ができません。
顔の面積を踏まえて、最適な量を塗ることが大切です。
洗顔後にすぐケアをする
洗顔後は、肌の水分と油分が不足しているため、できるだけ早く保湿ケアをしましょう。髪を乾かしてから保湿ケアをする方もいますが、それでは肌が乾燥してしまいます。
やわらかいタオルで顔についた水滴を優しく取り除いてから、化粧水や美容液、乳液などで入念に保湿ケアをしてください。どうしても先に髪を乾かしたい場合は、化粧水だけでも先に塗りましょう。
乾燥肌におすすめしたい保湿ケア化粧品の選び方
乾燥肌は普通肌と比べて乾燥しやすいため、乾燥肌の方は保湿効果が高く、肌への刺激が少ない化粧品を選ぶとよいでしょう。基本のスキンケアにアイテムをプラスするのもおすすめです。それでは乾燥肌の方におすすめしたい保湿ケア化粧品の選び方をご紹介します。
保湿成分が配合されているもの
乾燥肌の方は、保湿力が優れた成分が含まれる保湿化粧品を使いましょう。肌にも含まれる「ヒアルロン酸」を配合した化粧水や美容液、乳液などがおすすめです。外部からヒアルロン酸を補うとバリア機能の改善が期待できます。
深海に生息するサメ類の肝油やオリーブオイルに含まれる「スクワレン」を原料とする「スクワラン」もおすすめです。肌の水分の蒸発を抑えてバリア機能を保ちます。さらにベタつきが少ないため快適に使えるでしょう。
肌への刺激が少ないもの
乾燥肌は、普通肌であれば刺激にならないほどの小さな刺激でもトラブルがおこります。そのため肌への刺激が少ない保湿化粧品を使いましょう。ただし実際に使ってみないと肌に刺激があるかどうかわかりません。
テスターで肌との相性を確認したうえで購入を検討してください。
肌状態によってアイテムをプラスする
クリームを塗っても乾燥しやすい部位には、ワセリンを重ねてはいかがでしょうか。「クリーム」が油性成分に水やグリセリンを加えたものであるのに対し、「ワセリン」には水分が含まれていません。そのためより強力に油分を補えます。
純度が高い白色ワセリンは薬の軟膏のベースでもあり、肌への刺激が少ないため乾燥肌に向いています。
まとめ
乾燥肌の方は、バリア機能が低下しているために赤みやカサつき、かゆみなどのトラブルに悩まされがちです。普段の保湿ケアを見直せばバリア機能の低下による肌トラブルが少なくなるかもしれません。ヒアルロン酸やスクワランが含まれた保湿化粧品の中でも、低刺激のものを正しく使いましょう。