年を重ねるとともに、気になるのが乾燥シワではないでしょうか。乾燥によるシワの悩みを解消するためには、セラミドで肌のバリア機能を強化することが重要です。この記事では、乾燥シワにお悩みの方に向けて、その原因や予防方法、セラミドを効果的に使用するスキンケア方法を解説します。

乾燥シワとは、肌が乾燥して角層の保水力が低下し、肌表面に細かいシワができる状態のことです。その原因は主に4つあります。

● 肌の乾燥
● 肌のバリア機能の低下
● 加齢
● 紫外線の影響

それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

肌の乾燥

肌の乾燥は、乾燥シワの原因のひとつです。最初は小さなちりめんジワができることが多いですが、そのままお手入れをせずに放っておくと、次第に深いシワになってしまう可能性があります。

とくに目のまわりは皮ふが薄く、乾燥しやすいため注意が必要です。寒い季節やエアコンの効いた部屋にいるときは、肌の乾燥に気を付けましょう。

肌のバリア機能の低下

肌の乾燥シワは、肌本来の保護機能であるバリア機能の低下によっても引き起こされます。肌のバリア機能とは、肌がもともと持っている保護機能のことです。バリア機能があることで、肌は水分の蒸発を防ぎ、外部刺激から守られています。

しかし、このバリア機能が弱まると、肌の水分を保つ力が低下し、乾燥が進行してシワが形成されやすくなるのです。とくに加齢とともにこのバリア機能は衰えていきます。そのため、日々のスキンケアで肌にうるおいをあたえ、バリア機能を維持するように意識しましょう。

加齢

加齢も乾燥シワの主な原因のひとつです。年齢を重ねると、以下のような変化が起こり、乾燥シワができやすくなります。

ヒアルロン酸やセラミドの減少

肌のうるおいを保つヒアルロン酸やセラミドが減少し、肌が水分を保持する力が低下する

コラーゲンやエラスチンの減少

肌の弾力を維持するコラーゲンやエラスチンの生成量が減少する

女性ホルモンの減少

とくにエストロゲンの減少が乾燥を促進し、シワの原因につながる

皮脂分泌の減少

年齢とともに皮脂の分泌が減少し、肌の乾燥がさらに進む

これらの要因が組み合わさることで、肌の乾燥が進み、シワができやすくなります。そのため、年齢に応じた適切なスキンケアを行い、肌の水分と弾力性を維持することが重要です。

紫外線の影響

紫外線によるシワは、肌の表面（表皮）の乾燥と、肌の内部（真皮）の弾力を維持する細胞へのダメージによって生じます。実は、私たちが日常的に浴びる紫外線には、UVAとUVBの2種類があることはご存じでしょうか。

● UVA
　肌の真皮まで到達し、コラーゲンやエラスチンといった肌の弾力を保つ成分を減少させる
● UVB
　肌の表面に作用し、乾燥や炎症を引き起こす

つまり、紫外線に長時間さらされることで、肌のたるみと乾燥の両方が進行し、シワが形成されるのです。そのため、紫外線による肌のダメージを防ぐためには、UVAとUVBの両方から肌を守ることを意識しましょう。

とくに、屋外で長時間過ごすことが多い人や、日光に頻繁にさらされる職業の人は、十分に紫外線対策を心がけることが大切です。

乾燥によるシワの予防対策としては、次の4つが挙げられます。

● 保湿ケアの徹底
● 紫外線対策
● 正しいスキンケア方法
● 生活習慣、十分な睡眠

それぞれの対策方法について、詳しく見ていきましょう。

保湿ケアの徹底

乾燥によるシワを防ぐ基本は、肌に十分なうるおいをあたえ、肌本来の保護機能（バリア機能）を強化することです。保湿効果の高い成分を肌の表面層にあたえることで、シワを目立ちにくくしたり、できたばかりの表情ジワを改善したりする効果が期待できます。

効果的な保湿ケアを行うためには、使用する商品に含まれる保湿成分に注目してみましょう。とくに、以下のような成分が配合された製品がおすすめです。

● セラミド
● コラーゲン
● ヒアルロン酸

日々のスキンケアでこれらの成分を含む製品で保湿ケアすることで、より健康的で若々しい肌を維持できるでしょう。

紫外線対策

紫外線は日やけやシミだけではなく、肌の乾燥を引き起こし、シワの原因にもなります。そのため、効果的な紫外線対策が重要です。紫外線から肌を守るには、以下のような方法があります。

● 帽子や日傘を使用して直接的な日光を避ける
● 日やけ止めを塗る

ここで注意すべき点は、紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでいることです。晴れた日はもちろん、曇りや雨の日でも紫外線は地上に届いています。

そのため、紫外線対策は季節を問わず、年間を通じて継続的に行うことが大切です。日常的に習慣として紫外線対策を取り入れることで、肌の健康を長期的に守れるでしょう。

正しいスキンケア方法

乾燥シワを防ぐためには、正しいスキンケアを行い、肌のうるおいを保つことが重要です。正しいスキンケアを行うために、以下の3つのポイントに注意しましょう。

肌をごしごしこすらない

肌を強くこすると、肌のうるおいを保つバリア機能がくずれ、肌の乾燥が進みます。肌を傷めないよう、優しく丁寧に洗顔やクレンジングをするようにしましょう。

洗顔時はぬるめのお湯を使う

熱すぎるお湯は肌に必要な皮脂まで取り除いてしまい、乾燥を助長します。洗顔時には、32℃～36℃のぬるま湯を使用するのが理想的です。

洗顔後は早めに保湿する

お風呂や洗顔後の肌は、皮脂膜が取れて乾燥しやすい状態になっています。そのまま放置するとどんどん水分が失われていくため、洗顔後はできるだけ早く保湿するようにしましょう。

生活習慣、十分な睡眠

肌の健康は、生活習慣や睡眠にも密接に結びついています。偏った食生活や睡眠不足は、肌の状態を悪化させる原因です。肌の健康を維持するためには、バランスの取れた食事や十分な睡眠も意識しましょう。

バランスの取れた食事

肉・魚・大豆製品などのタンパク質は肌細胞を生成する大切な栄養素です。ビタミン類やミネラルも肌に欠かせない成分であるため、意識して摂取するようにしましょう。

十分な睡眠

人のからだは深い眠りに落ちているときに成長ホルモンが分泌され、新陳代謝が活発になります。睡眠不足は新陳代謝を遅らせ、肌のターンオーバーのサイクルが乱れるため、十分な睡眠をとることを心がけましょう。

肌の乾燥シワを改善するには、肌のバリア機能（保護機能）を強化することが重要です。これまで説明してきたように、バリア機能が弱くなると肌の水分が失われやすくなり、乾燥シワができやすくなります。

バリア機能を強化する方法は、次の3つです。

● セラミド配合のアイテムを使用
● クリームやバームでうるおいを閉じ込める
● セラミド配合製品の選び方

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。これらの方法を日々のスキンケアに取り入れることで、乾燥シワの改善や予防が期待できます。

セラミド配合のアイテムを使用

セラミドを含む成分で保湿ケアをすることは、肌のバリア機能強化に効果的です。セラミドは、もともと肌に存在する成分で、角層細胞のすき間を埋め、細胞同士をつなぎとめて水分を保持する重要な役割を果たしています。

しかし、年齢とともにセラミドは減少していくため、日々のスキンケアでセラミド配合のアイテムを使用し、不足分を補うことが重要です。セラミド配合製品の選び方については、のちほど詳しく説明します。

クリームやバームでうるおいを閉じ込める

肌のうるおいを長時間保つためには、化粧水の使用だけでは不十分です。化粧水で肌にうるおいをあたえたあとは、クリームやバームでそのうるおいを閉じ込めるようにしましょう。

なぜなら、化粧水だけでは肌が一時的にうるおうものの、すぐに蒸発してしまうためです。クリームやバームには油分が多く含まれているため、蓋のような役割を果たし、水分が蒸発するのを防いでくれます。

セラミド配合製品の選び方

セラミドは肌の保湿に重要な成分です。化粧品に使用されるセラミドは主に4種類あり、それぞれ特長が異なります。

ヒト型セラミド	・人の肌にもともとあるセラミドに似た成分で作られたもの ・人工的なセラミドのなかでも保湿力が優れている
天然セラミド	・馬の骨や脳などから抽出された成分
植物セラミド	・米やこんにゃくなどの植物から抽出された成分
疑似セラミド	・ヒト型セラミドに似せて人工的に作られた成分 ・保湿力はやや劣るが価格は安め

このなかでおすすめなのは、肌になじみやすく高い保湿力を感じやすいヒト型セラミドです。ヒト型セラミドにもいくつか種類があり、それぞれ異なる効果があります。

セラミドEOP （セラミド1）	・うるおいを保持する ・外部刺激から肌を守る
セラミドNS/NG （セラミド2）	・とくに高い保湿力を持つ ・ヒトの肌に多く含まれるセラミド
セラミドNP （セラミド3）	・うるおいを保持する ・シワをケアする
セラミドAS （セラミド4･5）	・外部刺激から肌を守る
セラミドAP （セラミド6･6Ⅱ）	・シワをケアする。 ・ターンオーバーを促進する

種類によって効果が異なるため、自分のお悩みに合ったものを選ぶとよいでしょう。