一度できてしまうと対処が大変な「シミ」は、日頃のスキンケアや生活習慣を見直してしっかり予防することが大切です。本記事では、シミができるメカニズムをおさらいしたうえで、シミを防ぐための効果的なスキンケア方法や生活習慣のポイントを解説。毎日のケアに取り入れ、シミのない健やかな肌を目指しましょう。

※この記事での「美白」とは、メラニンの生成を抑えてシミ・ソバカスを防ぐことを指します

シミとは、肌に沈着したメラニンという色素が肌表面にあらわれたもの。メラニンは本来、紫外線から肌を守るために生成され、肌のターンオーバーとともに排出されます。しかし、何らかの原因で必要以上に生成されたりターンオーバーが乱れたりすると、排出されずにシミとして肌に定着してしまうという仕組みです。

シミにもいくつかの種類がありますが、もっとも一般的な「老人性色素斑」は紫外線が主な原因。スキンケアや生活習慣を工夫することで予防が可能です。

一方、ホルモンバランスの変化によってできる「肝斑」や遺伝性の「雀卵斑（ソバカス）」は、セルフケアでの対処が難しいとされています。ニキビなどの炎症の跡がシミとして肌に残る色素沈着も自宅での改善が難しいため、専門機関での診断と治療を検討しましょう。

紫外線が主な原因とされる一般的なシミ（老人性色素斑）は、日常のスキンケアで防ぐことができます。毎日のスキンケアのポイントを見ていきましょう。

紫外線対策を徹底する

もっとも大切なことは、言うまでもなく紫外線を防ぐこと。紫外線は天気や季節に関わらず降り注いでいるので、毎日欠かさず日やけ止めを塗りましょう。

日やけ止めの効果は、汗や皮脂、こすれなどが原因で時間とともに薄れるので、2〜3時間ごとに塗り直すことも大切です。顔には、UVカット効果のあるパウダーなどを活用してみてください。また、日傘や帽子、サングラスで物理的に紫外線をカットすることも有効です。

美白スキンケアでメラニンを抑える

シミを防ぐためには、美白有効成分が配合された医薬部外品のスキンケアアイテムが欠かせません。

メラニンの生成を抑え、シミ・ソバカスを防ぐ美白有効成分にはさまざまな種類がありますが、例えば味噌・醤油・日本酒にも含まれる天然由来の「コウジ酸」に注目してみてください。分子量が小さく、シミの元である「メラノサイト」に直接アプローチすると話題の美白有効成分です。

化粧水からクリームまで、ラインナップすべてを美白アイテムでそろえるのが理想的ではあるものの、まず1点取り入れるなら美容液がおすすめ。美白有効成分をはじめとする美容成分がぎゅっと凝縮されているので、肌悩みをより効率よくケアできます。また、美白ケアは継続することが大切なので、毎日心地よく使えるテクスチャーかどうかも確認しましょう。

保湿も重視する

肌の乾燥はターンオーバーの乱れを引き起こし、シミを悪化させる原因になるため、保湿を重視することも大切です。化粧水で水分を補い、美容液で肌悩みを集中ケアした後には油分を含む乳液やクリームを使い、うるおいに蓋をしましょう。肌がいつもより乾燥していると感じたら、使用量を増やしたり重ねづけしたりなどの工夫を取り入れてみてください。

シミを作らせないためには、スキンケアだけでなく日々の生活習慣も見直しを。いきなり習慣を変えるのは難しいですが、できることから少しずつチャレンジしてみましょう。

質の高い睡眠でターンオーバーをサポート

睡眠中には、日中に受けたダメージを回復させる成長ホルモンと、成長ホルモンの分泌を促すメラトニンという2種類のホルモンが分泌されます。成長ホルモンには肌のターンオーバーを促す働きがあり、シミの予防に効果的。さらにメラトニンには強い抗酸化作用があるため、エイジングケアの観点からも重要と言えます。

良質な睡眠をとるためには、睡眠環境を見直してみましょう。寝る前のスマホやカフェインを控えたり、軽いストレッチを取り入れたりするのがおすすめです。また、人によって理想的な睡眠時間は異なります。自分がしっかり寝たと実感でき、心地よく朝を迎えられる睡眠時間を確保しましょう。

抗酸化成分を含む食事でシミを予防

肌を含むからだは、日々食べたものでできています。栄養バランスの取れた食事をベースにしつつ、シミを防ぐためには抗酸化作用のある栄養素を積極的に摂取するとよいでしょう。

・ビタミンC（メラニンの生成を抑制する）：レモン、キウイ、パプリカなど ・ビタミンE（血行を促進し、ターンオーバーをサポート）：アーモンド、かぼちゃ、アボカドなど ・ビタミンA（活性酸素の発生を抑える）：にんじん、モロヘイヤ、ほうれん草など ・L-システイン（メラニン色素の沈着を抑制する）：マグロ、カツオ、納豆など